模型作成~サイエンスデイ~

子供の洪水認知に向け、模型作成・実験の出展

2025年7月20日に、東北大学川内キャンパスで開催されたサイエンスデイ学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2025に出展しました。

メンバーはこちら:鈴木志門松下奈津子長村航聖齋藤隼輝鈴木香穂山野優大

実はこの模型、0から手作り。

メンバーが企画・設計・発注・制作・準備まで行いました。

制作途中の動画が記録されています。志門本当にお疲れ様。

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志門の一言:

模型の作成は単なる「ものづくり」ではなく、数学・地形・水理・気象といった複数の科学分野の融合によってなしえるものです。出来合いの模型や近年発展著しい情報技術・コンピュータによる数値計算を用いることにより,効率的に本展示の意図を満たすこともできると考えています。

しかし、それはブラックボックスを暗示しているとともに、自分達の理解度合いに合わせて科学に向き合うことから離れているのではないか、と感じました。まずは、出展者自身が自らの手を動かし・考え・納得して、模型を構成する科学に向き合うことで、複雑に融合する科学を紐解くため、模型作製の動画を展示・公表することとしました。模型作製時に、小学生や中学生が習う教科とどのように関連付けられるかを意識し、適宜動画にて解説することとしました。

なんと、教育コンテンツも0→1

こちらは気象予報士・教員免許を持つなっちゃんと、防災士の資格を持つこーせいが担当。雨の降り方からその影響まで、一体的に示せて、実験までできてしまう…メンバーのシナジーが末恐ろしい。

scienceday_edu.pdf

コンテンツ案の強み

出展したコンテンツは模型実験、雨の発生過程の解説、模型作成状況の動画展示です。

1.模型実験 模型実験のフローは、以下の4つです。

① デモを実施し、堤防のない状態でどこに水が流れるかをみてもらう 「みんなに雨を降らせてもらう」ということをメインイベントとして認識してもらいます。その後、どこに水が流れるかを確認してもらいます。堤防のない状態で水の流れる位置を確認してもらい、「どこに堤防を置いたら被害を防げるか?」を考えてもらいます。

② 堤防をおいてもらう ①でみたデモの結果を基に、どこに置いたらより街をまもれるかを考えてもらい、実際に河川沿いに堤防を設置してもらいます。被害を最小限に抑えるような工夫と試行錯誤を実装しました。メインイベントである「自分で雨を降らせる」ことが次のステップで控えているため、暗に防災を実施している状況を作り出す意図があります。

③ じょうろで流域模型に雨を降らせてもらう 子どもたちがこの模型実験の遂行に携わったという経験を持ち帰ってもらいたいため、子どもたちにじょうろを使って雨を降らせてもらいます。山地部分の任意の場所に雨を降らせてもらい、水のゆくえを探ってもらいます。

④ 降らせた雨がどこにいったかをみてもらう 自分の降らせた雨が、川から水があふれるかどうか?水がどこを経由してどこまで流れたか?そもそも流れなかったか?を目で追ってもらいます。堤防のない状態と比べてどれくらい変わったか、自分の置いた堤防・降らせた雨がどう水に影響したかをみてもらいます。

2. 雨の発生過程の解説 すでに雨が発生している状況から模型実験を開始します。流出・氾濫の根本である原因は降雨の発生ですが、その降雨がなぜ発生するか?までは説明しきれません。そこで、「そもそもなぜ雨が降るのか」を科学的に説明するための動画を作成しました。

工夫したこと

科学を人に伝えるために、五感は当然のツールとして使用されますが、加えて私たちは、「主語」に着目しました。来場する大人・子供たちに、模型に雨を注いでもらい、「自分の降らせた雨」を発生する現象の主語にします。【「自分の降らせた雨」がどういう状態の時に、まちを豊かにしたり、危うくしたりするのか?】というQuestionを来場してくれた大人たち・子供たちに投げかけ、雨として降った水・水力発電や飲み水に使う水・氾濫してしまう水を記憶・体験に残るような形で模型実験をデザインしました。 さらに、模型実験の場合、目の前で発生する現象が小さすぎて自分にとってどのように見えるか?がわかりにくいと考えました。模型実験において欠かせない概念である相似則(本展示ではフルード則)を用いて、本模型が簡易的にどれくらいの規模に相当するかを検討しました。より具体的に現実世界に置き換えるとどれくらいの危険があるか?を防災の観点で理解してもらうため、模型に小型のカメラを組み込み、模型の中の人間から みえる街の姿・形を表示しました。

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志門の一言:

本模型実験の設計・展示にあたり、気象予報士や防災士の資格を有するメンバーの知見と、研究テーマの融合により実現しました。科学をキーワードに、防災や生活に接続し、防災や生活に対する科学的根拠の強い模型になっています。特に、雨の分布を考慮できるように設計された模型は稀です。降雨・流出・氾濫を一体的に表現するとともに、サイエンスの要素と防災を絡めたツールになっています。これまで、砂の挙動から川と大地の成り立ちを表現する模型実験、大量に水を流して氾濫や土石流を発生させる模型実験など、特定の現象や災害にフォーカスした実験を数多く見てきました。本チームとして、防災を自分事にするための工夫は、サイエンスの伝え方にあると信じています。「防災」という言葉を出さずとも、サイエンスに向き合うことで自助の一部を達成できると考えています。

そこで、これまでの模型実験とは異なる主語(「自分が降らせた雨))を用いた体験をしてもらうことで、防災を自分事にできるのではと思い、本展示に挑戦しました。今後、この模型をさらに発展する予定があり、例えば、山地からシャンプーや水に溶かした小麦など粘性の高い液体を流出させることにより溶岩流を模擬できます。模型に軸を挿入し、揺れるように設計することにより地震を模擬できます。模型の地下に相当する部分に水の浸透できるタンクを組み込むことで、水の浸透を考慮することができるようになります。様々な自然現象を加味することができるポテンシャルがあり、臨機応変に「知りたい科学」に合わせられるような模型を完成させたいと思っています。

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